HOME > 珠玉の言葉 本棚 > 本棚85 1頁

 中国の古典「四書」の一つ、『中庸』にある言葉です。
「誠は 天の道なり」とは、天地自然の道理、即ち、日月の運行や四季の移り変わりなどが寸分のズレもないという自然の誠実さを意味します。
「これを誠にするは 人の道なり」とは、利己心を去り、誠実であろうと努めることこそが、人の歩むべき道であり、その努力によって、人はあるがままの自然と合致するということです。
 昨年7月30日、台湾の民主化と団結を訴え、長きにわたり台湾総統を務めた李登輝氏が逝去しました。
 日本統治下の台湾で生まれ、京都帝国大学に学び、学徒兵として第二次世界大戦にも参加している氏は、「私は22歳まで日本人だった」と述懐するほどの親日家であり、大和魂や武士道精神を大切にしていました。そんな氏が政治的リーダーに必要な資質として最も強調していたのは、「誠」でした。サインを求められた時には、「誠実自然」と記したとされます。
 氏は、誠の実践として、「相手に分かる言葉で説くこと」を徹底し、意見や立場が異なる人に対しても、公明正大かつ平等に、権威主義を捨て、自身の良心と信念にしたがって、相手に分かるように丁寧に説くことを心がけたといいます。



本棚85 2頁