HOME > 珠玉の言葉 本棚 > 本棚80 1頁


 江戸時代の筑前国福岡藩の本草学者、儒学者であった貝原益軒の言葉です。70歳で役を退いてから著述に専念し、身心の健康についての指南書『養生訓』は広く庶民に読まれました。益軒は、
「知っていても、それを行動に移さないならば、知らないことと変わらない」としたこの言葉で、「知る」とは物事を見聞きするだけではなく、その意味を理解し、さらに、自身が実践することであると教えました。
 令和2年の7月より、プラスチックごみ削減のため、全国の小売店でレジ袋の有料化が義務づけられました。
 その背景には、プラスチックごみが海洋に流出し、波や紫外線によって砕かれた「マイクロプラスチック」が、地球規模の海洋汚染と環境破壊につながるという危機感があります。マイクロプラスチックは、世界中の海で発見されており、世界最深のマリアナ海溝の海底からも見つかっています。海洋生物がこれを誤飲すれば、臓器に有害物質が蓄積します。それを食物連鎖の最上位にある人間が摂取することによる健康被害が、懸念されているのです。
 現実には、レジ袋がプラスチックごみ全体に占める割合は、僅か2%程度であり、その割合の低さから、レジ袋の有料化に冷ややかな視線を向ける人も多いといいます。
 しかし、レジ袋の有料化は私たちの生活に深く浸透したプラスチックへの過度の依存と、その根底にある「使い捨て」文化を見直す絶好の機会です。



本棚80 2頁