2012年にブラジルで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」で、南米ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領は、経済成長を求めて止まない先進各国のエゴとその悪弊に警鐘を鳴らすスピーチを行いました。冒頭の言葉はその中の一節で、氏の飾らない語り口は会議参加者の心を打ち、さらにネットを通じて広がり、世界中に大きな感動を与えました。
 その内容は、日本の出版社からも、絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』として発刊されましたが、平成28年4月に初来日したことをご存じの方も多いことでしょう。
 氏は幼い頃からパン屋や花屋で働き、10代から政治活動を始め、20代になると平等な社会を夢見て、当時の独裁政権に反対する武装闘争に加わって、逮捕4回で延べ13年間の投獄、銃撃戦で重傷を負った経歴の持ち主です。ウルグアイ下院議員を務めた後、第40代大統領に選出され、平成27年2月末で任期を終えましたが、半世紀ぶりに国交を回復したアメリカとキューバの仲介役を務めたことでも知られます。