HOME > 珠玉の言葉 本棚 > 本棚74 2頁


 氏が最も心を砕いたのは、
「自分のものさしを一時捨てて、その地の慣習や文化に偏見なく接すること」であり、生涯、現地の人々に寄り添うことを貫く姿勢と実行力は、世界から賞讃されました。アフガニスタンでは空港で式典が開かれ、大統領が自らの手で棺を担いで運ぶほど、大きな感謝の思いが寄せられました。
 緒方さんと中村さんに共通するのは、現場での実践を重んじ、国境を越えて多くの人々を救ったことです。
『勝鬘経』には、
「普く衆生の為に不請の友と作り、大悲をもって衆生を安慰し、哀愍して世の法母と為る」とあります。
「不請の友」とは、請われなくても進んで助けの手を差し伸べる友という意味で、それこそが慈悲の心を実践する菩薩の姿であると説きます。
 私たちは、この仏様の教えを大切にし、「自分の国だけの平和はありえない」という言葉を胸に、真の国際人として、世界に羽ばたこうではありませんか。



文・南 省吾

本棚74 1頁