ホンダのジェット機開発は、創業者、本田宗一郎氏の悲願であり、氏の生前から航空機のエンジン開発に取り組み、氏が没してからは、子会社化した米国法人の日本人社長が遺志を継ぎ、
「ホンダがやるからには、今までにない技術を盛り込んで、今までにない価値をつけたい」
と、試行錯誤を繰り返したといいます。その結果、創業者が開発を宣言してから五十余年を経て、その夢と理念を相続した後継経営者、それにもまして、多くの技術者の知恵と熱意の結晶が、世界で評価されるジェット機の誕生となって花開いたのです。
仏教では「智目行足」といい、智慧を「目」に、修行を「足」に喩えて、智慧と修行が兼ね備わることによって悟りに到達することを教えます。頭でひらめいたアイデアだけでも、足で稼いだ行動だけでも、目標に到達することはできません。
目標を達成するためには、「試したという知恵」、即ち、御仏の教えを理解するために仏縁に触れ、御仏の教えを体得するために実践するという、その相対のバランスと積み重ねが重要なのです。
文・南 省吾
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