中国の『三国志』の「蜀志」に見られる言葉で、「智」の重要な働きは禍を免れることにあると教えます。
いつやってくるか分からない天災や人生の危機に備えること。最近ではそれを危機管理などと呼びますが、私たちの生活の中には、危機を未然に防ぐ、あるいは、被害を最小限に留める、先人たちの知恵と経験の教えが息づいています。その教えに気づき、現代に活かし、次の世代へしっかりと引き継いでいくことは、私たちの大切な使命です。
去る7月5日のNHKニュースで、「忘れられた災害の記憶 先人の無念を地図記号に」と題して、自然災害があったことを伝える新たな地図記号「自然災害伝承碑」が制定された、という報道がありました。
平成30年7月の西日本豪雨で被災した広島県のある地域に、今から百年以上前の大雨と土石流による被災の様子が文字に刻まれ、「水害碑」として残されているのが発見されました。
「せっかくこういう形で残してくれていたにもかかわらず、それが生かせなかった。本当に断腸の思い、本当に甘く考えていたというのが本音です」
被災者の後悔の思いが、地図記号の制定のきっかけになりました。
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