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 受けた恩は返すより、必要とする人に送れば、世の中はよくなる。それを、「恩送り」と呼びます。
 生きていることに感謝できること、そして、その感謝の気持ちを誰かに表現することが、施し手と受け手の両方に、喜びと温かい思いやりの心を起こさせるのです。
 達磨大師の『二入四行論』に、
「求むること有れば、皆、苦なり。求むること無くんば、則ち、楽し」
とあります。人間は自利の欲望によって他に多くを求め、そして求めるものが得られないことに愚痴を言い、さらに苦しむという悪循環に陥るものです。
 しかし、今までの人生を俯瞰すれば、両親、家族、そして多くの仲間に助けられながら生きてきたことに気づきます。
 その素晴らしい出会いに感謝して、頂いた恩を他に廻し向けることを実践する。それが、人が人として生きる価値なのではないでしょうか。



文・南 省吾

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