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 明治から昭和初期の教育者・思想家であり、著作『武士道』で知られる、新渡戸稲造の言葉です。
 苦は、いつまでも続くものではない。たとえ逆境にあっても、「もう少しだ」と思って前に進んでいけば、いつの日か必ず、善果が得られると教えます。毎年のように地震、台風などの天災に見舞われる日本。大切な人や、苦労して積み上げた家財を失ってもなお、自身の心を奮い立たせて、前を向こうとする被災地の方々に心打たれます。
 2020年7月3日の朝日新聞 朝刊に、「震災、台風、コロナ、続く逆風下の三陸鉄道社長」と題した記事が掲載されました。
 2011年3月、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた岩手県の三陸鉄道では、線路が橋や駅ごと津波で流されました。街を走る国道は瓦礫の山に遮られたため、人々は電車の通っていない線路上を歩いて、行方不明者を捜し、物資を求めたそうです。
 そんな状況の中、三陸鉄道は、「地域に役立つことが何よりも優先」と、運転再開を急ぎ、苦しい経営にもかかわらず、運賃を無料にしました。
 それから8年後の昨春、「住民の足をなくすわけにはいかない」という社員の熱意が実を結び、地域復興のシンボルであった三陸鉄道は、全線での運行再開を果たしました。



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