スコットランドの貧しい織物職人の子として生まれ、アメリカに移住した後に製鉄業に進出して「鉄鋼王」といわれるほどの成功を収めたアンドリュー・カーネギーの言葉です。
得られた富は、自分を取り巻く人々や社会のために活用すべきという信念を持った彼は、
持てる資産を福祉事業に投じ、晩年は慈善事業家として第二の人生を送りました。
昨年一月三十一日付のNHKのWEBニュースで、貧困や環境破壊といった社会問題を解決するため、
ソーシャルビジネスを立ち上げる「社会起業家」の増加が報じられました。ソーシャルビジネスとは、株主利益
の最大化ではなく、社会的利益の最大化を目標とする、慈善団体や
NPOとも異なる企業体です。たとえば、「海のゴミ問題を解決したい」といった志があっても、
こうした社会課題の解決とビジネスの両立を図るのは簡単ではなく、創業の資金調達が大きな課題でした。
そこで「恩送り」という仕組みを導入し、社会起業家同士のネット
ワークで事業プランを審査し、承認された企業に対し、経営が軌道に乗った会社の利益の一部を持ち
寄り、返済不要の形で資金を提供したのです。起業家同士が助け合い、起業にチャレンジしやすくなったといいます。