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 今、隆盛を極めていたとしても、
いつかは病み、年老いて、そして誰かの支えを必要とする時が来ます。それは、人が決して独りでは生きていけないことを意味します。困った人には手を差し伸べ、困った時には助けてもらう、柔軟で素直な心を持ちたいものです。
『優婆塞戒経』には、
「乞う者に語れ。『汝、今、真にこれ、我が功徳の因なり。我、今、慳貪の心を遠離するは皆、汝が来り乞うの因縁による』」と説かれています。
 釈尊は、もし乞う者があれば、それは自分自身の物惜しみの心を遠ざける善き縁であると感謝せよ、と仰せです。
 五濁悪世を共に生きる私たちです。助けを求められれば、自分の都合を措いて、まずは手を差し伸べる。それが自らを磨き、善根功徳の種を蒔くことになります。無関心や見て見ぬふりの高みの見物は、いつか自らを貶める因となることを心得るべきでしょう。
 
 
 
 

文・南 省吾

 
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