これは、江戸時代後期に活躍した著名な儒学者、佐藤一斎の著書『言志四録』の中の言葉です。佐藤一斎は幕末に活躍した佐久間象山、吉田松陰、勝海舟、西郷隆盛らに、思想的に大きな影響を与えました。
 この言葉の全文を訳しますと、
「人は、口(言葉)を信用しないで、その人の身(行動)を信じるものであり、また、行動よりも、その人の心のあり方を信じるのである。だから人から信用されることは難しいのだ」
というもので、人から信頼を得るには、言葉や行動よりも心が大切であるということを示しています。
 仏教においても、身と口と意で行う十種類の悪が説かれる際、意で行う三つの悪、即ち、貪欲・瞋恚・愚痴という三毒の煩悩は、苦しみの根本であるとされ、やはり「心」の重要性が説かれています。
 企業経営においても「心」、即ち「創業の精神」、「経営理念」は大変重要です。
 トヨタ自動車は、平成24年11月14日、先代プリウス等、13車種のかじ取り装置、及びハイブリッドシステムに不具合があるとして、リコールの実施を発表しました。国内では約152万台が対象となる、過去最多規模のリコールでした。