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 3歳の時に癌を発病し、3年間の闘病の末に、6歳で亡くなった娘を持つ鈴木中人氏の著書、『いのちの授業』は、子供たちに次のように問いかけます。
「自分が生まれたときのことを知っていますか」「あなたは、一人だけで生きていけますか」「あなたのいのちはあと6か月と告げられたらどうしますか」
 そして何よりも、命の繋がりの原点は家族であり、決して親より先に死んではいけないと教えます。
 また、親に対しては、
「大人は子供たちの人生の導き人であり、生死は大人にしか教えられない」と、親自身が命に向き合い、子供に命の美しさと尊さを教える必要性を訴えています。いじめ、虐待、それを親にも訴えられない孤独。問われているのは、命に対する親の考え方なのです。
『大般涅槃経』に、
「仏性等しきをもっての故に、衆生を視ること、差別あることなし」と説かれ、御仏の前では、老若男女、貧富、賢愚、美醜の区別はなく、全ての命は平等であると説かれます。その尊い命を虐待や自殺で軽んずる行為、人間の無知と孤独に心が痛みます。
 私たちは、命の尊さを伝える真の仏教を学び、すべての命が幸せに生きられる社会をつくり、それを確実に子供たちに託していかなければなりません。



文・南 省吾

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