釈尊は三十五歳で悟りを開かれ、十大弟子を始めとする多くの仏弟子を得ました。その弟子たちに対して「人々のために法を説け。一つの道を二人して行く勿れ」と、彼らをインド各地に赴かせ、一人でも多くの人たちに御仏の教えを布教するよう指導し、自らもまた四十五年という長きにわたって、休むことなく法を説き、人々を教化し、衆生済度に奔走されたのです。
そして釈尊御入滅直前のことです。スバドラという行者が釈尊のもとにやってきて弟子入りを願いました。
お側にいた十大弟子の一人、阿難尊者は、釈尊がお疲れであると言ってスバドラを退けようとしましたが、そのことを知った釈尊は、快くスバドラを呼んで法をお説きになったのです。
これによってスバドラは釈尊の最後の直弟子となったのでした。
このように、釈尊は死の直前まで法を説かれ、衆生済度の実践により、率先垂範で弟子を指導されたのです。
度重なる天災地変や不安定な政局など、混迷する社会情勢の中にあって、人々は悩み、そして迷っています。
このような時だからこそ、「率先垂範」の心が必要です。己がして欲しいと思うことを、自らが他人に施すことで、初めて周りの人たちも動き出します。
小さなこと、笑顔からでも構いません、まずは自分から動いてみようではありませんか。
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