HOME > 珠玉の言葉 本棚 > 本棚66 2頁


 町議会議員が商工会の若手と文案を練り、議員提案され可決されたこの条例。町民同士が直接話し合い、積極的なコミュニケーションを通じて、心豊かで賑わいのある町にしたい、という思いがこめられているといいます。
 この条例が、昨今の不寛容社会に一石を投じることを期待したいものです。
 仏教では、仏道修行で守らなければいけない十の重要な戒め、十重禁戒の一つに、「不自讃毀他戒」があります。
「自讃毀他」とは、自分を褒め、他を軽蔑すること。そうした言動が自らの慢心を示し、それが人の品性を貶めて、人は卑しくなると教えます。
「自分は正しく、他は間違っている」
 そのように声高に主張する言葉の中に、自分の心に憍慢が忍び寄り、相手に対する尊敬や思いやりを失っていないか、厳しく自戒せねばなりません。生まれながらのハンディキャップや、大切な人を失った悲しみに立ち止まっていては、前に進めません。困難に自らを奮い立たせ、そして懸命に前を向いて生きる姿に心を打たれます。
『出曜経』には、次のように説かれています。
「目的が達成されるまで、人は努めねばならない。自分が立てた目的がその通りに実現されるのを見よ。希望した通りになるであろう」
 人生は山あり谷あり。困難があるからこそ、それを乗り越えた先に喜びがあります。順境にある時より、むしろ逆境を経験し、それを乗り越えたところにこそ、大きな喜びがあるのかもしれません。困難を恐れず、何事にも勇気をもって立ち向かっていきたいものです。



文・陽 嘉清

本棚66 1頁