これは、中国最古の詩篇『詩経』にある言葉で、「切磋琢磨」の語源です。
「切磋」とは、玉や石を切り、形を整えていくこと。「琢磨」とは、形を作り、それを磨き上げることで、「切磋琢磨」とは、学問に励み、互いに励まし合い、努力を重ねることを意味します。目標に向かう志と努力、そして、よき友や環境の存在が、その人の持つ能力を最大限に発揮させるのです。
2014年、日本中を沸かせたプロテニスプレイヤーの錦織圭選手は、小学生の時から「プロになりたい」という夢を抱いていました。
13歳の時、二人のライバルと共に、日本からアメリカへテニス留学をするチャンスを得ます。錦織選手が、言葉も通じない異国で頑張れたのは、日本から付き添ってくれたコーチと日本語で励まし合える二人の仲間がいたから、ともいわれています。留学先でエリートコースに抜擢された錦織選手は、プロの選手とプレイできる最高の練習環境で、現在トップを走る偉大な選手たちと出会います。中でも、元世界王者フェデラー選手の大会期間中の練習相手を務め、練習試合とはいえ二度も勝利できたことは、錦織選手の大きな自信に繋がりました。
よきライバルの存在は、ますます闘志を掻き立ててくれます。同じ頂点を目指し、死力を尽くす闘いの中にこそ、厳しい励ましがあり、相手から弱点を徹底的に攻められることで、克服すべき課題が浮かび上がります。よい試合というものは、勝っても負けても自らの糧となり、人生を豊かにしてくれます。そしてそれは、よきライバルあってこその賜物といえるでしょう。
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