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 このように、未来の視点を入れると、より広く長期的なアイデアが出てくることが多く、「他人ごとではなく自分も地域防災に関わりたくなった」と話す人もいました。未来の視点から、理想の姿、目標に向かって長期的な計画を立案する、素晴らしい試みでしょう。
『出曜経』には、
「思惟して、生老病死の憂いと苦悩とを免れて、涅槃の彼岸に至るべし」と説かれています。
 いかに栄耀栄華を極めたとしても、遠くない未来には確実に、死が待ち受けています。その時を、「終わりよければ全てよし」という心で迎えることができるかどうか。そこに、私たちが残された時間になすべき課題があります。
 一人一人が自らの臨終を思惟して、今の自分自身の心がどこに向かっているのか自問し、互いに自発的に語り合い、切磋琢磨していくことが大切です。ただ漫然と日々を過ごし、人から勧められなければ行動できないとすれば、目標の実現は覚束ないでしょう。



文・南 省吾

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