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 年をとると、人は、自分にこの二つの手があることに気づく。アメリカの詩人、サミュエル・レヴェンソンの詩の一節です。この言葉は、『ローマの休日』に代表される数々の映画や舞台で知られる世界的な女優オードリー・ヘップバーンが愛したことで知られます。年を重ねるにつれ、若い頃には見えなかった人生の大切なものが見えてくるものです。
 彼女は年齢と共に、女優業を減らし、後半生のほとんどを国際連合児童基金(ユニセフ)での仕事に捧げ、親善大使として貧困と飢えに苦しむ子供たちに献身しました。享年63歳で死を迎えるにあたり、彼女は人生を振り返り、
「考えてみると、とりわけ幸運なものであった」と語りました。
 今、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、治療薬やワクチンが国家戦略物資として利用され、マスクや防護服さえも奪い合うという自国優先主義への懸念が広がっています。
 一方で、幾つかの国々では、生活に苦しむ人々への支援活動が広がっています。タイ王国では、路上に「食品棚」を置いて、飲食物を自由に寄付したり受け取ったりする仕組みが広がり、1,000を超える食品棚がボランティアによって設置されています。また、べトナムでも、個人が私財を投じて無償で米を提供する「コメのATM」や、食料品を無料で持ち帰れる「ゼロドン・マーケット」など、生活必需品を提供する民間の活動が広がっているといいます。



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