そうした人生経験や、子供の頃から常々、「人のためになることを考えなさい」と祖母に教えられてきたことが、気の遠くなるような研究を続ける勇気と信念の原動力になったことは想像に難くありません。その上で、
「科学者は人のためにやることが大事」
「楽な道を行っても、本当のいい人生にはならない。厳しい道を選ぶべきだと考えている」と明快に語る氏の言葉には、社会に貢献する行動こそが、人生を実り豊かにするというメッセージが込められているようです。
仏教でも、「多聞であっても、修行しなければ不聞に等しい」と説かれるように、説法聴聞も、自らに引き当てて実践するところに意義があります。どのような良薬であっても、自ら服用してみなければその効果を知ることができないように、「知」というものも、実践という「行」に触発されて、互いが車の両輪のように働き出します。
知識だけではなく、行動を起こすことが、人生の成功を勝ち得るための智慧に繋がることと存じます。
文・南 省吾
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