国土地理院は、全国の自治体から災害を記した伝承碑の情報を集め、それをウェブ上の地図に地図記号で表しました。現在、地図には、全国158ヶ所に、「自然災害伝承碑」の表記があるといいます。
「天災は忘れた頃にやってくる」
僅か数十年経てば、被災の恐怖や絶望、痛みの言葉も教訓も風化し、甚大な被害を受けてしまうものです。しかし、こうした地図記号のように、先人たちの経験や知恵を広く形として、次の世代に残しておけば、被らずに済む災難はたくさんあります。
『中阿含経』に、
「平素の心は異常の時に乱れる。異常の時にも平素の心を持つように学ばねばならない」とあり、日頃から有事に備えることの大切さを教えます。
私たちにとって最大の有事といえば、命終の時です。その時に心乱れては、社会では人が羨むような成功を収めたとしても、人生の成功者とはいえません。仏教の教えは、まさにこの一点に集約されます。その大切な教えを日ごろから学び大切にし、命終の時に備える智慧を、身につけたいものです。
文・南 省吾
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