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 物事を始めるのに遅いということはありませんが、たとえば高齢になって始める語学の習得には、若い頃とは比較にならないほどの努力や覚悟を要するように、人生には為すべきことを為す時機、道理があることを教えられます。
 中国・宋の『死心悟新禅師語録』に、
「人身は得難く、仏法は聞き難し。此の身、今生に向かって度せずんば、更に何れの生に向かってか、此の身を度せん」
とあり、人間として生を得た上で仏法を聴聞することは誠に稀有なことであり、このチャンスは、二度と訪れることはないと教えます。
 つまり、尊い人身を得た「今」こそが、過去・現在・未来の三世で、善行を積ませて頂く時機であり、これ以上ない「旬」の時といえるのです。「いつか」「時機が来たら」ではなく、「今」の努力精進が未来を拓き、将来の自分と家族、子々孫々に、真の財産となって廻し向けられます。今こそ、善行に励もうではありませんか。



文・南 省吾

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