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 この言葉は、『景徳伝灯録』にある、中国、唐の僧侶が深山で松の苗木を植えている時に詠んだ一句です。
 木が育つには数十年という時を要し、僧侶は植えた松が成長し、老木となる姿を見ることはできません。それでも僧侶が木を植えるのは、先人の苦労と恩恵を知るからで、自分が受けた喜びや幸せを、まだ見ぬ次世代にも享受してほしい、という思いに駆られるからに違いありません。
 2015年の9月、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、17の目標からなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。
 将来の世代の欲求も満たしつつ、現在の世代の欲求を満足させるという、世代をまたいで節度ある開発を目指そうとするもので、17の目標は、貧困や飢餓の撲滅、教育、健康、エネルギー確保、不平等の解消、気候変動対策や資源保全など、多岐にわたっています。
 会議では、「我々はこの共同の旅路に乗り出すにあたり、誰一人取り残さないことを誓う」と宣言され、この開発目標を2030年までの世界共通の目標として掲げると共に、地球を維持するための関与と、安全で快適な暮らしを将来の世代に残すための行動を求めています。



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