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 東日本大震災当時に行われたフィリピンから被災地への支援には、大規模な地滑りにより多数の犠牲者を出したフィリピン中部のレイテ島からの「恩返し募金」が含まれていました。
 その募金は、日本政府の無償資金協力で島に仮設住宅が建ったことに対する感謝の心から集められたもので、 「貧しい我が町の住民から集められるお金は、日本の人から見ると僅かかもしれない。でも、私たちを救ってくれた人たちを何とか助けたい」という発案によって始まったものでした。自らが厳しい環境にあっても、他人を慮って行動を起こす。そうした利行には、人間が本来持つべき心の温かさや強さを感じます。


『無量壽経』に、「不請之友」という言葉があります。
 請われなくても、苦しみ悩む友がいれば寄り添い、進んで手を差し伸べる。素直な心で、何の衒いや計らいもなくそのように行動できるのが、人として自然な姿であり、その心を「慈悲」といいます。
 慈悲の心で、相手の喜びを自らの喜びとできる姿こそ、人間の目指す理想の姿ではないでしょうか。


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