HOME > 珠玉の言葉 本棚 > 本棚18 1頁


 これは、江戸時代初期に徳川家に仕え、その後に出家した禅僧、鈴木正三が著した『盲安杖』にある言葉です。
「自己に執着することなく無私になる。そして本心を忘れないことが大切である」
と、苦しい時にこそ、こだわりの我執を捨てて、自らの本性である正しい心、自ら望む、あるべき姿に立ち返ることが大切であると説きます。


 ソチ冬季五輪の、女子フィギュアスケート競技に出場した浅田真央選手の演技に、多くの日本国民が感動しました。

 メダル候補と期待されながら、1日目のショートプログラムで信じられないミスをして16位に止まり、2日目のフリーの演技を残して、メダル獲得は事実上、不可能となりました。前回のオリンピックでは銀メダルを獲得し、今回は金メダルを目指して厳しい練習を重ねてきただけに、この結果に落胆する彼女の姿が放映されました。
 魔物が棲むといわれるオリンピック。
 数々の大舞台を経験した彼女であっても、プレッシャーと失敗への不安から自らを見失っていたのでしょうか。演技を終えた彼女は、「自分でも(演技が)終わってみて、まだ何もわからない」
と、インタビューに答えていました。


本棚18 2頁