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 これは、江戸時代後期に活躍した著名な儒学者、佐藤一斎の著書『言志四録』にある言葉です。佐藤一斎は幕末に活躍した志士たちに、思想的に大きな影響を与えました。この言葉の意味は、「怠惰や見栄といった私欲に打ち克つためには、即座の『決断力』が重要である」ということです。
「決断力」は企業経営において大変重要なもので、経営の神様といわれた松下幸之助氏は、「商売の秘訣は、意志の即決である」という信条をもっていました。
 昭和39年のことです。松下電器はそれまで5年の歳月と10数億円の費用をかけて研究開発をしてきた大型電算機事業から撤退すると発表しました。当時、日本には大型電算機事業に参入していた企業が7社あり、松下氏は、「参入企業が多すぎるのではないか」という懸念と、「今までの投資が無駄になるばかりか、社会的信用をも失いかねない」という目算の間で、事業を継続するか否かの決断を迫られていました。
 そんなある日、アメリカのチェース・マンハッタン銀行の副頭取と会談する機会があり、電算機事業の話になった時、副頭取は、「アメリカの電算機メーカーで利益が出ているのは1社だけです。日本に7社の電算機メーカーがあるのは多すぎます」との意見を述べました。




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