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 これは、中国の春秋時代の思想家である孔子と、その高弟の言行を記録した書物である『論語』に出てくる言葉です。
 意味は「それが正しいことと知りながら実行しないのは、勇気が無いからである」ということですが、言い換えれば「正しいと思うことは勇気をもって実行すべきである」ということです。


 「物質文明の時代」といわれた二十世紀も過ぎ去り、今世紀は「精神文明の時代」といわれています。このような時代においては、時として今までのやり方では上手くいかなかったり、新しいやり方が求められたりします。
 しかし、古いやり方に囚われて、なかなか改革ができなかったり、あるいは自分の保身のために行動できなかったりすることが多いものです。


 釈尊御在世の御代、十大弟子の一人に迦旃延尊者という方がおられました。
 尊者が辺境の地での教化活動をしていた際、従来のやり方では様々な問題がありました。そこで迦旃延尊者は、この土地に合ったやり方を考え、具足戒(僧侶となる儀式)に必要な僧侶の数を減らすこと、二重の履物を使うこと、水浴の習慣、獣の皮の敷物を使うことを認めてほしいと釈尊に伺い、許可を頂いて早速これらを取り入れたのでした。
 自らの使命を全うするために、従来の規則に縛られるのではなく、勇気をもって改革を実行された尊者に大いに教えられます。


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