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 この言葉は、儒教において四書五経の一つとして重んじられる『大学』の中にある言葉です。そこには、殷王朝を創始した湯王が、
「今日の行いは昨日よりも新しく、また明日の行いは今日よりも新しくあるように、修養に心がけねばならない」
と洗面の器に彫りつけて、毎日自らを戒めたことが記されています。
 この言葉は、数々の経済界の要職を歴任し、日本の行財政の抜本的改革を推進した、土光敏夫氏が好んで使った言葉としても広く知られています。
 土光氏は、昭和40年代に経営難に陥っていた東芝を再建した後、70代半ばで経団連会長に就任し、第一次石油危機に揺れる日本経済の安定化に尽力しました。さらに、80代半ばで鈴木善幸首相に請われて第二次臨時行政調査会長に就任し、「増税なき財政再建」「三公社(国鉄・専売公社・電電公社)民営化」などの路線を打ち出して行政改革の先頭に立ち、謹厳実直な人柄と抜群の行動力から「行革の鬼」などの異名をとりました。
 経済界の要職にあっても粗衣粗食で、毎朝4時に起床して仏間での読経、そして6時半になるとバスと電車を乗りついで会社に通勤したそうです。80代半ばという高齢であっても、自らを厳しく律して改革に取り組むその姿は、多くの国民の共感を得ました。




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