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 結果、単なる「悪ふざけ」には終わらず、業務妨害容疑等で書類送検され、被害を受けた企業は相当額の損害賠償請求を検討しているといいます。
 若者たちの悪行は相応の罰を受けるべき行為ですが、一方で、他人の愚行を笑ったり、正義を振りかざすかのように情報を拡散する、「祭り」「晒し」「炎上」といったネット社会の文化にも、顔の見えない非現実世界ゆえの「闇」が見え隠れしています。
 さて、ものづくりの世界では、「三現主義」といい、「現場」「現物」「現実」の三つの「現」を重視し、居ながらの机上ではなく現場で、自分の目で現物を観察して、自分の頭で現実を認識することが、問題解決の基本中の基本であると教えます。
「現」が重視されるのは、仏事においても同様です。文字はおろか、言葉さえも、自らの本意を雄弁に語り尽くしてはくれません。仏事のお伝えは、聞き手の顔を見ながら、言葉と姿で真剣に伝えるのが正しい在り方です。
 真の信仰を育む道は、自らの時間と労を厭うことなく、お互いが言葉と心を通わすこと以外にありません。かつて釈尊が弟子一人一人と向き合い、家々を一軒一軒訪ねて仏法を説かれた御姿に、今、静かに学ぶべきです。


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