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 釈放時、氏はすでに七十歳を超えていましたが、アパルトヘイトの根拠とされた法律を撤廃してノーベル平和賞を受賞し、南アフリカ初の全人種参加選挙で大統領に選ばれるなど、数々の政治変革を成し遂げました。
 冒頭の言葉には、どんなに苦しい環境にあっても、常に耐え忍び、努力を重ね、多くの偉業を達成してきた氏の確信が込められています。
『大宝積経』には、「忍辱は十力(佛と菩薩が有する十種の力)のもと」「忍を以て本となす」として、耐え忍ぶことの重要性が説かれ、『遺教経』には、「忍の徳たるや、苦行持戒も及ぶ能わざるところ」と、その功徳の大きさが説かれています。
 誰しも苦難を予想すればするほど、足がすくみ、前に進むことを躊躇するものです。
 しかし、厳しい中にあってこそ、培われ、得られるものが確かにあることを、氏の言葉は雄弁に語ります。
 苦境の時こそ、大きな飛躍に向けた準備期間であり、成長の絶好の機会と捉えられる柔軟な心、そして困難に遭っても、それに敢然と立ち向かう勇気を持ちたいものです。


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