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 これは、平安時代中期の天台宗の僧、恵心僧都源信の著書『観心略要集』の中の言葉です。訳しますと、
「同じ川の水でも、人間にとっては冷たい水と感じられ、餓鬼道にいるものにとっては激しく燃え立つ炎に見える」
という内容で、「たとえ同じものであっても、その人の心のあり方によって、全く異なったものに映る」ということです。
 1992年に開業して以来、18年連続で赤字だった長崎県のテーマパーク、「ハウステンボス」は、2010年に旅行業界のベンチャー企業である株式会社エイチ・アイ・エスに経営を依頼し、同社会長の澤田秀雄氏が新社長に就任しました。その後、僅か一年足らずで黒字化に成功し、2012年9月期の決算では24億円の営業利益を上げています。
 これまで、ハウステンボスの再建には、金融系の企業が携わってきましたが、いずれも失敗に終わり、次に九州の経済界が経営を引き継ぐことを検討しましたが、話がまとまらず、エイチ・アイ・エスに依頼が回ってきたのでした。
 最初、澤田氏は依頼を断りました。それは、ハウステンボスが、「マーケットが小さい」「遠い」「古い」という、テーマパークとしては悪条件となる要素が三拍子揃っていたからです。


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