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 これは森氏が、
「満身総身に、縦横無尽にうけた人生の切り創を通してつかまれた真理でなければ、真の力となり難い」
と語るように、机上の学問ではなく、実践的で現実的なものでした。
 そして、あらゆる分野からの検討、あらゆる歴史の研究から森氏が到達した結論は、冒頭の言葉に集約されるものであり、人間は誰もが必ず使命をもって生まれてくるというものでした。
 そして意義ある人生とは、その「使命」に気づき、「使命」に従って生きることだ、ということです。
 しかし実際は多くの人がその使命に目覚めることなく空しく人生を終えていきます。それを残念に思った森氏は、
「学者にあらず、宗教家にあらず、はたまた教育者にあらず、ただ宿縁に導かれて、国民教育者の友としてこの世の生を終えん」
と使命感に燃え、全国津々浦々への一万回以上にわたる講演行脚に明け暮れたのです。その講演は出版物として遺され、不朽の名作として多くの人々に、今なお強い影響を与え続けています。
 私たちもまた、天から賜った封書を持っているはずです。そこに、自分が生まれてきた本当の目的が記してあるにも拘らず、毎日を空しく過ごしていては勿体ないものです。
 自らの本当の使命は明確かどうか。今一度自問してみては如何でしょうか。




文・嶋 徹伸

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