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 これは、江戸時代後期に活躍した著名な儒学者、佐藤一斎の著書『言志四録』にある言葉です。この言葉に続けて、
「視聴既に心に愧じざらば、則ち人も亦必ず服せん」とあり、
「自分の発する言葉は自分の耳で聴くがよい。自分の立ち居振る舞いは自分の目で見るがよい。自ら見聞きして、心に恥じることがなければ、人もまた必ず心服するであろう」
という意味をもちます。
 最近、プロ野球統一球の反発係数の変更、いわゆる「飛ぶボール」問題に対する、日本野球機構の一連の発言が波紋を呼びました。ボールが飛ぶか、飛ばないかは選手の成績に関わる重要な問題であり、また野球ファンにとっても観戦を楽しむために必要な情報です。
 機構側はそのことを十分に知りながら、統一球変更を公表せず、質問を受けても、「変更をしていない」と断言していましたが、マスコミの厳しい追及により、ついに変更の事実を認めました。その上、ボールの製造業者に変更を公表しないよう圧力をかけていたことも判明しました。さらに驚くことは、野球界を導き、その責任を負うべき機構責任者自身が、
「事実を隠蔽するつもりは全く無かった」
「不祥事を起こしたとは思っていない」という記者会見を行ったことです。多くの野球ファンの信頼を裏切り、その上、責任回避ともいえる説明に終始する責任者に、怒りを通り越し、あきれたという方も多いことでしょう。


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