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 また、隣接する幼稚園では園児たちが彼女の頬にキスをして挨拶する風景が日常になっており、素朴で明るい彼女の人柄は、石巻の多くの人々に親しまれていました。彼女は幼い頃から日本に興味を持ち、学生の頃に独学で日本語とその文化を学び、英語を通じて、「日米の架け橋になること」を自身の夢に定めていました。その夢が叶い、充実した生活を送っていただけに無念だったでしょう。
 しかし、そうした彼女の思いに応えるために、遺族や友人たちは被災した子供を支援するための基金を立ち上げ、さらに彼女の遺志を継ぐために、英語図書の寄贈を行い、その支援活動の輪は日米学生の交流に広がっています。
 遺族は、あるインタビューに答えて、
「彼女の日本への情熱を分かち合い、大震災の後に彼女がしたに違いないことを実行し、私たちは大きな生きがいを感じてきた」
と、彼女の生き様が遺族の大きな救いになっていることを語っていました。
 仏道を歩む者であれば、人生を価値あるものとしたいと願わない者はいません。私たち一人一人も高き夢や理想の実現に向かい、情熱を持って突き進もうではありませんか。




文・南 省吾

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