HOME > 珠玉の言葉 本棚 > 本棚47 1頁


 戦国時代の武将、上杉謙信の家訓十六ヶ条、「宝在心」にある言葉です。
 勇とは、儒教における徳目の一つで、困難が予見されても道義を尽くす強い心のことです。目先の損得に惑わされ、進むべき道を踏み外せば、その心の傷は生涯、癒えることはありません。
 人生の幾つかの分岐点において、勇気をもって自ら信じる道を選択し、その道を虚心坦懐に歩み続けること、それが悔いのない人生を送るということなのでしょう。
 平成28年9月1日付の日本経済新聞朝刊に、52年前の東京五輪で3個、4年後のメキシコ五輪で4個の金メダルを獲得した女子体操選手で、「五輪の名花」と呼ばれた、旧チェコスロバキア出身のベラ・チャスラフスカ女史の訃報記事が掲載されました。彼女は、民主化を進める母国が共産圏国家から軍事侵入を受けるという逆境の中でメキシコ五輪に出場し、抗議の意を込めて、黒のレオタードで演技しました。帰国してからの彼女には、民主化活動の署名撤回、転向と反省の強要、監視、軟禁、公職の剥奪という、厳しい迫害が待っていました。




本棚47 2頁